鐶の扱いについては、平成27年13.誤った伝承3.環（鐶の字が適合）の種類と扱い2015/6/10の項で記述し、書籍では、初版、ニ版、三版の「140.環（鐶の字が適合）の種類と環（鐶の字が適合）の扱い」で記述したが、記述後も、全ての項目で絶えない本来の茶道の姿の検証の中で、新しくその間違いを発見したことにより、再記述をこの項ですることにしました。

鐶の種類はいろいろあるが、ほとんどの人が用いている丸い輪で、端が細くなっている蛭（ひる）鐶が主で、それ以外の鐶を持っている人は極めて少ない。
鐶の端に特徴がある木賊（とくさ）鐶、釘鐶などは扱いにも特徴があり、形自体が造形的な、巴鐶、トンボ鐶、轡鐶がある。
釜に鐶をかける部分の方向の取・・・　　・・・に専用の鐶として作られた常張鐶などがある。

鐶は、形により、炭斗の中で炭にもたせ掛けて置く場合と、丸い鐶である場合で、火箸に掛けられる場合は、炭斗に入れた火箸の炭斗外側にかけて持ち出す場合がある。

写真１	写真２

写真２ 　丸い鐶は・・・（客付）の鐶。	写真３ 　蜻蛉鐶は炭にもたせ掛ける。本勝手は、手前側が釜の右側 　（客付）の鐶、・・・・の鐶。
写真４ 　轡鐶は、・・・・客付）の鐶	写真５ 　巴鐶は、・・・・掛ける。 　本勝手は、・・・・の鐶

写真６ 　蜻蛉鐶・・・	写真７ 　左の親・・・　　　を持ち、右の中指にの 　った蜻蛉の羽の下部分を支点として、 　左へ開くようにして、少し開いたとこ 　ろの写真。	写真８ 　左の羽を90度近くまで開いた写真。
点とした蜻・・・、左手の 　親指で ・・・ 　写真１０ 　両手で右、左のトンボの羽部分を写真 　のように持つ。 　此の時の蜻蛉の正面の絵模様は、右側 　は右、左側は左で、外側に向いてい 　る。　　に掛かりやすいように水平にし、左側 　は、左親指を上にして、尾の部分の先 　端が釜鐶に掛かりやすいように水平に 　し、鐶を釜鐶に差し込む。

「特別な巴鐶」　

　　巴鐶の場合は、古来から、家紋として、左回り・・・（反時計廻り）の二種類があり、家紋に合わせて
　　鐶を設置すれば、扱いもその家によって決まってくる。　

　・本勝手炭手前で、家紋が右回り（時計回り）の紋の場合。
　　　本勝手では、畳上に置かれた場合、火箸に掛けられた場合共に、右手親指が鐶の・・・中指が鐶の右
　　　側で巴鐶の左右・・・人差し指、中指は下側にかけ・・・を左右に
　　　構え、客付側（右側）の鐶の先を釜鐶の穴へ、向う側から差し込、左側の鐶の先を手前側から釜鐶の穴へ差し込み、
　　　鐶を釜にあずけ、鐶を持ち直し、釜を上げる。