奧秘台子12段では、黒中次、黒棗を、台子の平点前でも、黒棗を荘ることがある。プロの指導者の中には、濃茶を入れると指導しているために、巷の茶道を教えている先生の中には、弟子に教える際に、明確に、濃茶を入れるか、薄茶を入れるかを教えていない節がみられる。
鷲棗のところで、次のように記述してはある。改めて明確に開示してみよう。
黒棗には、。。。 ・・・小)
小棗(大、中、小) ※小棗の小は一服棗といわれる
それ以外に、小菊棗、香次棗、平棗、再来棗、秋野棗、帽子棗、間違棗、鷲棗、尻膨(尻張)形の棗などがあり、小の中で最小な棗を一服棗ともいう。 それ以外には、鷲棗、白粉解、尻膨(尻張)形、大小の菊棗、香次棗、平棗、再来棗、秋野棗、帽子棗、などがあり、 これらの棗が利休好みといわれるものである。
棗の用途としては、 小棗は濃茶、中棗は、濃茶又は薄茶、大棗は薄茶に用いられるのが本来であるが、中棗に色漆で装飾をし、季節感を表現したり、行事などの意味合いを込めたり、 侘びの世界を表現した棗などが作られるようになり、中棗は薄茶専用のように現在では用いられている。
以上のように「鷲棗」のところで記述したことを思い起こせば、濃茶を入れるか、薄茶を入れるかは想像できよう。
この点を深堀・・・ ・・・より台子は、蝋色真台子、真台子(木地、?合など)、竹台子が用いられ、天板には中棗(黒)が荘られ、中には薄茶を入れるのが約束である。時折、指導者の中には、天板の黒棗の中には、「濃茶を入れるとか、茶を入れないとか」を言って指導していることを巷に聞くが、明らかに間違いである。
なぜならば、棗に濃茶を入れるならば、包み帛紗、鷲棗、茶通箱で大津袋で包むように、仕服、帛紗で包まなければならない。
奧秘台子12段と言えど・・・
個の棗を仕服に包むことはない。茶歌舞伎に関しては、茶の識別を競うことであるので、機会があれば、又詳細に記述してみよう。
ただ奧秘12段でも、「真之真」においては、未公開で、その実技の詳細は、歴史の中で未公表の中で漏れ出でた。「真之真」の実技内容から、「真之真」では、別室で薄茶を呈する流れがあるために、濃茶を飲んだ後・・
奧秘台子12段も点前を取り出してその点前をすることは、間違いが生じる。茶事の中での点前として、奧秘台子12段を位置付けてこそ、奧秘台子12段の点前が継承されるのである。近来、公開されている「行之行」、「真之行」の点前において、炭手前の初座において、茶入をすでに荘って炭手前をしているのは典型的な間違いの炭手前をしていることに指導者は気が付かないで、権威のみで「このように炭手前の際も茶入を荘る」と主張するのは、「裸の王様」を思い浮かべる。草庵の茶では、その本人たちも、後座で、茶入を荘ってしているにもかかわらず、「行之行」、「真之行」になると、茶事を忘れてしまい「行之行」、「真之行」を別物のように指導していることは嘆かわしい。
奧秘台子12段の実技を体験してこそ、後座に茶入を荘らなければ、炭手前ができないことがわからない不勉強で間違った指導者の指導を受けていることになり、残念なことである。
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